2006.01.13 (Fri)
鳥に喰われた人類
今からおよそ200万年前の猿人――人類の祖先の死因について調べていた人類学者の発表によると、われわれの祖先は鳥の餌食になっていたかもしれないということです。1924年に南アフリカ、ヨハネスバーグで発見されたタウング頭骨およびその周辺から出土した猿人の化石より、人類の起源はアフリカにありという説が今では一般的ですが、ウィットウォータースランド大学のリー・バーガー教授らは、この猿人の化石から直接の死因を探ってみたそうです。
死因は最初、ヒョウのような鋭い牙をもったネコ科の動物の仕業とみなされていました。 しかし、同じ場所から出土した化石の猿には、肉食の鳥類によって殺された痕が見いだされたのです。
これはバーガー教授らとオハイオ州立大学との合同研究で、鷲をモデルに猿を狩る模様をシミュレートしてみた結果明らかになりました。
まず鷲が猿に襲いかかるときには、太い後ろ指のかぎ爪で猿の頭蓋骨をざっくりと貫きます。 その後しばらく様子をみるために猿のまわりを旋回します。 猿の息が絶えたところで降り立ち頭骨の薄い部分、眼窩を突いてボロボロにするのです。
こうした結果を踏まえてもういちどタウング頭骨を検証してみると、子供の頭骨の眼窩に無数の細かい傷があることがわかりました。 すなわち鳥の餌食になった可能性がある、ということです。
バーガー教授らは、こう述べています。
「人類の祖先は、地上では獣から逃げまどい、空からは襲いかかってくる鳥に怯えて暮らしていたのかもしれない。 今回のような発見は、人類が今日あることを知る手がかりになるだろう」。
研究報告は、「American Journal of Physical Anthropology」誌の二月号に掲載される予定です。
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