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2008.06.29 (Sun)

20歳のときから58年間にわたって、男を演じ、家族を養ってきた女性

80627n.jpg

New York Times
アルバニアのPache Koqiは、いまから60年前、男になろうと決めた日のことを思い出します。当時18歳だった彼女は、長い黒髪をばっさりと切り落とし、スカートからからズボンに履き替え、猟銃を背負いました。その日、Koqiは結婚、子供、そしてセックスを一生涯あきらめることを決心したのです。

何世紀ものあいだ、男性の数が足りなかったアルバニアでは、女性がこうして男性を装うことはごく普通のことでした。Koqiの場合は、父が殺され、彼女が家長の跡を継がねばならず、残された家族を養うためと父の仇討ちを全うするために、生涯処女を貫くことを選んだのです。
今日のようにネットが発達し、MTVが全世界の若者の支持をうけている現在では、アルバニアにおいても彼女のように性別を騙る女性はいません。彼女と同じように男を演じ、生涯処女を貫くことを決めた女性はわずかに40人足らずしか残っていません。

かつてアルバニアにおいては女性の地位は低く、男性の半分にも充たないものとされてきました。子供を産み、家をまもる女性はその処女の値段さえ、牛12頭分に見積もられました。
家長制度の発達した農耕社会では、戦争や疫病で家長が死に、男の後継ぎがいなかった場合は、残された家族に待っているものは欠格者としての烙印です。父が殺害されたKoqiの家では、ときの共産政府に兄弟4人がそろって抗ったために、それぞれ投獄、獄死を迎え、20歳の彼女が家督を継ぐしかなかったのです。
女としての人生の歓びを棄てた彼女は、男として生き、4人の義姉とその子供たち5人、そして母を58年間にわたって扶養してきたのでした。

80627o.jpg彼女の生い立ちを知る人々のいる村から一歩足を踏み出すと、そこには「男性」としてのKoqiがいました。
「誰もわしが女だとは知らなんだ。好きなときに好きな場所に行くことができて、誰にも馬鹿にされん。いつも男と一緒だったし、女とはどうやって話したらいいのかもわからん」。
股を大きく開き、野太い声でそう語るKoqiは屈託なく笑います。

古くからの慣わしとして、父親を殺された後継ぎは、必ず仇を討たねばなりません。そして殺人の罪を犯せば収監されます。
5年前に釈放された父の仇は、Koqiの15歳の甥が撃ち殺しました。そしてこの甥は仇の家族によって殺されました。「ずっと父親の仇を討つことばかり考えておった。しかしいざこうなってみるとずいぶんと後悔しとる。結局わしの甥も殺されたんじゃからな。けれども目には目をじゃ」。

今年78歳になったKoqiは家長として、絶大な権力をもちます。首都ティラナに住み、建築業に携わるKoqiの家では、彼女が吠えると姪がすぐさま卓のグラスにブランデーを注ぎます。また甥も姪もKoqiの承諾なしに結婚することはできません。
Koqiはこう言います。「いま、アルバニアでは男女同権じゃ。男女の比率も近づきつつある。今の時代なら、わしも女として生きるのもおもしろいと思っとるよ」

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