2008.05.06(Tue)

ロンドン同時多発テロで両足を失った女性が、義足で挙式に 

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News of the World
2005年7月7日、56名の死亡者を出したロンドン同時多発テロで両足を失った女性が挙式をあげました。花嫁の名はマーチン・ライトさん(35歳)。あの悪夢から3年を経た今、みごとに幸せを掴んだ彼女は「英国一の勇敢な花嫁」と呼ばれています。

4人の実行犯のうち、22歳のシェへザド・タンウィールが、地下鉄環状線のオルドゲート駅附近のトンネルでバックパックの爆弾を爆発させたとき、当時マーケティング管理の仕事をしていたライトさんは同じ車輌に乗車していました。
飴のように捻れた車輌から助け出されたライトさんは、失血がひどく、両足を失ったほかにも頭蓋を骨折、心拍は5回停止、一週間は意識不明といった重体でした。事故直後の情報が錯綜しているとき、
婚約者のニックさんは王立ロンドン病院で二日間も彼女を捜しまわったといいます。

8日目にしてようやく意識が回復したライトさんでしたが、下肢を失ったことを知ると暫くは悲嘆に明け暮れたそうです。すでにニックさんとは婚約中。バークハムステッドにある自宅では、ウェディングドレスの試着をおこなったという彼女ですから、天国から地獄にたたき落とされた心持ちだったかもしれません。彼女の言葉です。
「ウェディングドレスはあたしの夢だったの。とくに襟ぐりが深いデザインは気にいってたわ。それが惨憺たる地獄。そしてあたしは思ったの。足は失くしてもおっぱいがあるじゃないって。失くしたものをいつまでもくよくよ考えているよりも、あるものを誇ったほうがいいってね」

80506d.jpg2万ポンド(約410万円)という義肢を装着したライトさんは、まずは歩くことからマスター。医者には歩行は無理だと診断されましたが、彼女は懸命の努力の結果、事件から半年後には杖に頼りながらもなんとか前に進めるようになりました。
人というものは、順風万端たる人生を送っている間には忙殺されてなかなか出来なかったことが、何かを失くすことで、却って情熱に火が灯ることがままあります。ライトさんにとって、それは飛行機のパイロットでした。長年の夢だった航空学校に通いはじめた彼女は、2006年には実習でみごとに小型機を操縦するほどになりました。もちろん義足でです。
そして最後のいちばん大きな夢。ニックさんとの結婚式をあげるにあたって、ライトさんはひとつの決心を胸に抱きました。挙式では杖を使わずに歩くこと。このために半年間、練習を重ねたそうです。

3日、車から下り、赤い絨毯の上をゆっくりとした歩調で歩きはじめるライトさんに、父親のアルバートさん(71歳)が横で腕を携えます。ヴァージンロードは42歩。参列者の間からは万雷の拍手が鳴り響きました。父親のもとを離れ、新郎のニックに添ったライトさんは宣誓の言葉を唱えます。
これまでの努力が走馬燈のように甦り、必死に涙をこらえて肩を震わせながらの宣誓でした。参列者のなかには、両足を失った彼女を最初に励ました外科医、ハス・パティル氏、また彼女のリハビリに付き添った療法士の姿もみえます。パティル氏はこう彼女を讃えます。
「わたしの生きてきたなかで、彼女ほどの素晴らしい女性に出会ったことはありません。勇気と信念と努力で信じられない困難に打ち克ったのです」

ライトさんとニックさんは、現在モルジブで新婚旅行中。義足でダンスにも挑戦したいと述べたそうです。


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