2008.02.03 (Sun)

結婚間近のカップルが帰省列車の屋根に跳び乗ろうとして高圧線に触れ、感電死

80203a.jpg新快報
春節の帰郷客らでごった返す広州駅で、歩道橋から駅の庇に飛び下り、列車の屋根に跳んで乗車しようと試みたカップルのうち、男性が高圧線に触れ、死亡するという痛ましい事故がありました。

事故が起こったのは1日未明のことです。
婚約をきめた女性、張池さん(21歳)を伴い、故郷の湖南に帰省しようとした李満軍さん(32歳)は、29日の切符を手に入れ、当日のお昼頃、広州駅に向かいました。
ところが広州駅では給電設備の故障から列車の運行がストップ。駅構内からあふれた60万人という人々が周辺に滞在しているといった大混乱の最中。二人はあきらめていったん順徳にある家にもどりました。

31日になって列車が動きはじめたことをニュースで知った二人は、あらためてこの日広州駅に向かいます。しかしながら、依然20万人という人々で占められた駅周辺は身動きがとれず、日が暮れ、夜が更け、日付か変わる頃になっても人々の捌ける様子はありません。

疲労困憊した二人の目に構内の歩道橋が目が留まります。あそこから列車に跳び乗れない? 目を合わせ、頷いた張池さんの手を李満軍さんが引っぱりました。二人は歩道橋に向かいます。
すでに何人かの人が歩道橋から飛び下りているのを目撃した二人は、歩道橋からいったん駅の庇に飛び下り、そこから列車の屋根に飛び移ればいいことがわかったといいます。
おそるおそる歩道橋から身を乗りだす二人。ぼくが先に飛び下りるよ。そして荷物を下で受けとる。それから君が下りるんだ。李満軍さんの言葉に張池さんが頷きました。

おりからの冷たい雨。構内は煌々と灯りがともっていても歩道橋の上は真っ暗で足許もおぼつきません。手すりを跨いで先に駅の庇に飛び下りた李満軍さんが、張池さんに向かって荷物を受けとろうと手を伸ばしたその時でした。暗闇で鋭い火花が一瞬飛ぶと、李満軍さんが列車の屋根に倒れ込んだのです。
おどろいた張池さんがその名を呼んでも、李満軍さんは倒れたままで身動きひとつしません。すると突然李満軍さんの服から火があがり、風に煽られ、みるみるうちに体が火に包まれました。
「助けて! だれか火を消して」。張池さんは歩道橋から庇に飛び下り、声を限りに叫んで助けを求めます。下で気づいた乗客らが警察に通報し、警官と駅職員が現場に駆けつけました。

救急車で搬送された李満軍さんは三度の火傷で、その面積は全身の50%。いったんは広州軍区広州総医院に運ばれましたが、ここでは手に負えず、広州市第一人民病院に送られてここで応急処置を施されました。

二人が知り合ったのは順徳のビーフン工場。11歳年上の李満軍さんには離婚した妻の残した11歳の息子がいたそうです。いっぽう張池さんは中学二年で学校を中退。その後アルバイト先を転々としましたが、二年前に工場で出会った李満軍さんに可愛がられるようになってからは、彼女もそれに応え、息子の面倒もよくみていたといいます。
婚約を交わした二人は、今年の「十一(10月1日の国慶節)」には結婚式をあげる予定で、今回の帰郷は李満軍さんにとっても三年ぶり。両親にタバコと燕窩(燕の巣)をもって挨拶に訪れる予定でした。

また今月分の給料は、二人あわせて2000数元。そのうち500元を兄にやって、その残りで列車賃と両親へのおみやげを買った二人は、手許に数百元しかなく、この48時間の治療費だけでも莫大な金額となることから、ニュースを知った広州市紅十字(赤十字)会が援助を差し伸べることを明らかにしました。


追 : 李満軍さんは2日早朝5時に息を引き取りました。
誕生日が25日で、残業でお祝いができなかったことから、順調に帰省できれば29日の晩にでも両親や兄弟のもとで誕生日を祝う予定だったと張池さんはいいます。その張池さんも飛び下りた衝撃で両足首を骨折、および腰椎を痛めています。また張池さんの誕生日は、31日でした。彼女の指には、その誕生日のお祝いにと李満軍さんからもらった指輪が嵌っています。

今年の春運はオリンピック景気で地方からの出稼ぎ労働者も多く、その混雑振りは例年に比べかなりのものだったうえ、50年ぶりという大雪の被害が重なり、5日間列車のなかに閉じこめられたニュースや人波に押されて死亡する女性、また列車のなかで結婚式をあげたり、お産をしたり、はたまた切符を手に入れられない人々が数百キロという道のりを徒歩で帰ったりと、いまだかなりの混乱が報じられています。
(画像は2日の広州駅。まだ40万人が駅周辺に滞在しているそうです)

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