2008.01.07 (Mon)

アヒルのような手――並指症の7歳の女児

80107e.jpg

重慶晩報
手像鴨掌――指が癒着して手がアヒルの水かきのようになってしまう「並指症―アペール症候群(Apert syndrome)」の例が、昨年末と昨日、相次いで報道されています。そのうちで記事は昨年の方、発症したのは7歳の女児ですが、女児の一家六名はおなじ症状をもつそうです。

「先生、雪の手はほんとうに治るの?」
20日、重慶長城病院の手外創傷科を訪れた7歳の女児、陳雪は愛らしい声でこう訊ねました。院長の陳捷は不安そうに見上げる雪を見つめ返し、ゆっくりと頷きました。雪は陳捷の大きな掌のなかで、包帯を巻いた掌を折り曲げたり伸ばしたりを何度もくり返しています。

陳雪の左手は生まれながらにして、中指と薬指が癒着していました。雪の父親、陳軍のいうことには彭水県萬足郷の小河村に住む陳さん一家は、三代にわたってこうした「並指症」があらわれ、この30年間の一家三代12名のうち、6名が同じ症状だといいます。
最初に症状があらわれたのは雪の祖母、胡遠碧でした。雪と同じように中指と薬指が癒着、骨は大きく変形しています。この胡遠碧から生まれた周建忠、周錦蘭も母親の病気を受け継ぎました。そして代がかわって雪です。
仕事や生活に差し支えるのはもちろん、貧しい陳さんの家では診療を受けるにもまず病院に行くための旅費がありません。方々の親戚からお金を借りて手術を受けたのは、発症した6名のうちわずかに2名。雪も7歳まで病院の診断を受けたことすらありませんでした。

11月20日この状況を知った長城病院の院長、陳捷は雪のもとを訪ねます。陳捷がくだした診断は並指症。環境からではなく、遺伝的素因によるものだと指摘しました。
「一族のなかでこれほど多く発症するのはあまり例がないんです。私もこれまで他に一例を知るだけです」。
並指症は新生児中15万人に1人といわれる病気で、手指の骨の成長を司るDNAの変異、遺伝性のものといわれていますが、まだ原因はつかめていません。
陳院長は陳家の残る3名にも無料で手術を施す旨を告げ、雪以下3名の家族を病院に呼びました。しかし雪以外はすでに骨も成長しきっており、手術を施すことによって却って手の機能がマヒすることも考えられ、まだ正常にもどる可能性のある雪に治療は絞られました。

80107f.jpg29日午前10時、雪の手術が始まります。
手術は陳院長自ら執刀。まずは中指と無名指(薬指)の解離に取りかかりました。工程では次いで中指関節の奇形を矯正、下腹部からとった外皮を中指に移植。切り離した薬指には骨造成のうえいったん雪の腹部に移植して造成した骨と組織、それに外皮がなじむのを待ち、あらためて雪の手に移植するといった二度の手術が必要でした。

それでも移植は成功。雪の手には五本の指がそろいました。リハビリの後に再び矯正手術を受けなければなりませんが、回復の程度がまだはっきりしないために予定は組めないと陳院長は語ります。
陳院長によると、こうした並指症の手術は3歳時までにおこなえば、最も回復の見込みが高く、雪の場合は今後の手の成長に影響をおよぼす可能性もあるということです。

雪は陳院長の目を悪戯っぽく覗き込みながら、「これで雪も剪刀石頭布(じゃんけん)できるよね」と愛らしい瞳を輝かせました。

addclips  | sick and surgery | TB(0) | EDIT  

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://chiquita.blog17.fc2.com/tb.php/2944-8dc2ffdc
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲PageTop

 | HOME |