2007.12.18 (Tue)

「羊頭狗肉」ならぬ「狗頭羊肉」――廃れゆく「冬至の狗肉」

71219c.jpg四川在線
冬至間近のこの時節、街の料理屋ではひっそりと「狗肉湯」などの看板を掲げます。ほかほかして体が温まるというのが、狗肉が冬に好まれる要因ですが、今年の出だしはいつもの年と比べてあまりよくありません。
それというのも、動物愛護の観点からみた狗肉猫肉撲滅キャンペーンのほか、今年は「食の安全」という意識が庶民にも高まったことが大きいようです。

11日の晩、記者は成都北門の狗肉店を訪れました。女将にこのところの商いについて訊ねます。
「ここでも、たくさんの人が来て「狗肉を食べるのはよそう」って宣伝していったわ。それからは商売は上がったりね。まわりでは狗肉の看板は掲げてるけど、羊の肉を出してるところもあるし」。

まわりを見わたすと確かに冬至間近という狗肉の「旬」の時期にあって、人影はまばら。奥のテーブルからこんなやりとりが耳にはいりました。「狗肉ねえ。なんか不潔そうだし。狂犬病にでもかかったらどうする」。
「はいはい、ウチの肉は大丈夫ですよ。ちゃんと専門家が買い付けしたものを、資格をもった人が割いてるんですからね。この店だって、あそこの営業許可証、見えます?」
記者に目配せした女将はそういって立ち上がると、つかつかと奥のテーブルに歩み寄ります。
「なら訊くけど、ここで出してる犬はどこで養殖されたものなんだい?」。女将は立ち止まり、言葉を詰まらせると小さく頭をふりました。

専門家の話によると、成都にでまわっている狗肉はその大部分が成都市郊外から持ち込まれたもので、ほぼ直に近いかたちで狗肉店に卸されるとのことです。
価格は1キロあたり15元ほど。ひと冬にひとつの小作坊で屠る犬は千頭にも及びます。犬一頭から約10キロもの狗肉をとるといいますから、家内工場のような小さな屠殺場に都合15万元の金が転がり込むのです。
狗肉店の現状と比して、このような小作坊にはまだ寒風は及ばないようで、稼ぎ時を前にして作業にも大車輪で取りかかります。

記者はまた市場を管理する衛生部門にも話を訊きました。それによると、牛や豚などはもちろん検疫制度がありますが、犬に至っては、家禽とはみなされないためにフリーパス。市場に持ち込まれる畜肉はすべて検疫済みというのが前提ですが、狗肉は流通量も僅かのため、管理する人間自体がいないというのが実情です。
病気になって棄てられたペットもあるだろうし、狗肉に含まれる病原菌は食用で人体に影響を及ぼすこともあり得る。衛生部門はこう答えながらも、現状には目を瞑ります。

とあるサイトで、今年の冬至に狗肉を食べるかどうかのアンケートがおこなわれました。それによると85%が今年は食べないという答えでした。

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