2007.08.05 (Sun)
眼球が干涸らび、突出してしまった女児

―東北新聞網―
2日午前、吉林省の長春、城西鎮の路傍に佇んだ母娘のまわりに人垣ができました。泣きじゃくる母は32歳の王桂雲さん。その腕に抱かれた娘はごらんのように眼球がおおきく突出、ひびわれ、なかば褐色の肉塊と化した眼球はすでに光が宿っている様子もありません。
王さんは昨日の朝、公主領市双竜泉鎮泉眼河村から長春にやって来たといいます。
上京したのはもちろん娘、今年9歳になった雪の目を診てもらうためですが、治療費にあてがあるわけでもありません。万が一メディアに拾ってもらえば何とか助けてもらえるかもしれない、そんな村民の言葉を聞いてのあてどのない上京でした。
2000年、王さんは当時2歳だった雪の右耳から膿が流れているのを知り、村人や親戚などから金を借りて長春に出向き、病院で診てもらったそうです。診断は「嗜酸性肉芽腫」というものでした。医者は焼灼による腫瘤の破壊を勧め、雪は入院ということになりました。しかし入院一ヶ月で所持金は底をつき、雪をもらい受けた王さんは村の診療所にわけを話し、注射と投薬によって治療を続ける決心をします。
ところが2003年、それまで家を支えていた夫が腰をいためました。痛み止めに使ったのは漢方と西洋医学の薬。組み合わせが悪かったのか夫の容態が急変します。夫は病院に担ぎ込まれる前に亡くなりました。借金を背負った王さんは家を売り、民生部の生活保護を受けることとなります。
この頃から雪の目は際だって腫れが目立つようになりました。まるく綺麗だった雪の瞳はまず黒目につやがなくなり、ついで突き出てきた眼球に瘡蓋ができました。視力を失った雪はよく転び、柱にぶつかっては目を突き、出血に至りました。やがて痛みから歩こうともしなくなった娘は喋ることもやめ、そのまま成長を止めてしまったかのように塞ぎ込んでしまいました。
王さん母娘が受ける生活保護は、年にわずか200数元。そのほかに年があらたまる際に米や油などが支給されるだけです。しかし苦しい生活よりも、傍にいながら娘がいまどういった状況なのかわからないことが、王さんを苛みました。治療を受けさせれば治るものなのか、たとえば自分の目を娘にやれるものなのか、誰も何も教えてくれません。
王さんは取材する記者に掌ににぎったお金を見せました。180元(約2700円)あります。これはここに集まった人々にもらったのだそうです。それでも王さんが受ける保護の一年分弱にあたります。
記者は母娘をタクシーで吉林大学付属の眼科にとどけました。医者はまず脳と目の検査のためにCTの必要を述べ、王さんが費用を訊くと800数元かかると告げました。王さんは再び泣き崩れ、肩を震わせます。雪はそんな母親の手をしっかり握り、光を失った眼を向けます。
両目のない1歳の男児―隠眼
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