2007.05.22 (Tue)

煮立った粥を浴びて重篤の3歳児と貧困家庭にのしかかる治療費

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―江南都市報―
障害をもつ母親の夕飯の支度を手伝おうとしていた3歳の男児が、煮立った粥の鍋をひっくり返し、重度の火傷をおうという痛ましい事故がありました。

火傷をおったのは江西省都昌県大港郷に住む但丙さんの息子、但楊廣くん(3歳)。事故がおこったのは今月11日の朝のことでした。
父親の但丙さんは畑に出て野良仕事。妻の但晩霞さんは早朝から仕事に出ていった夫の朝食を用意するために、台所の床においたこんろで煮炊きをはじめます。というのも但晩霞さんは四肢に障害をもち、身長もわずかに1メートルほど。普通の人のようにかまどには手が届きません。こうしたことから、但丙さんの家で煮炊きをするときは、いつも床においたひとつのこんろで全てを賄っていたのです。

不便な体で粥を煮る母を常日頃見ている楊廣くんは、幼いながらもよくわきまえ、この日も母を手伝って粥をかきまぜはじめました。ところがふと足を滑らせた楊廣くん。転んだ拍子に鍋をひっくり返し、腹部を中心に全身に煮立った粥を浴びてしまったのです。
ことを知った父親が飛んで帰ってきたときには、真っ赤に爛れた楊廣くんの腹にはいくつもの水泡が浮かび、母親が目を覆いながら泣き叫ぶ楊廣くんをあやしているといった状況。但丙さんはすぐに楊廣くんを九江市第一人民醫院に運びました。

「体が不自由で出産には苦労の連続でした。ようやく産まれたこの子は夫と私の唯一の希望だったんです。この子あってこその幸せでした」
涙に暮れながらそう記者に告げる母親の晩霞さん。見ると背が低いだけではありません。四肢は障害により萎えて力なく、動かすことも不便なようです。
2003年に人づてで知り合い、結婚した二人は夫の但丙さんの性格も大人しく真面目で、生活は貧しいながらも慎ましやかに暮らし、苦しいなかでようやく恵まれた一粒種が楊廣くんでした。

高熱のひかない楊廣くんを前に但丙さんは押し黙ったまま、無言で息子と妻を気づかいます。聞くと家財道具はすべて売り払い、親戚にもすでに数千元という借金をして治療費にあてたといいます。但丙さん宅では年収が、よくて数千元という暮らしなのです。治療費は但丙さん宅にとっては天文学的な数字。家に残っていた9袋の籾まで売って数百元。バスに乗って病院に通う晩霞さんは、途中繁華街のバス停で下り、物乞いしながら僅かばかりのお金を得たそうです。

入院費を払える見込みがないため、夫婦は楊廣くんをひき取り、村の小さな診療所に通いながら治療を続けることに決めました。
「熱は下がりませんし、依然危機を脱した訳ではないんです。でも今は誰かの善意を待つぐらいしかありません」。こう語る但丙さんは記者にも涙を見せません。まるで、いま自分が涙をみせたらすべてが終わってしまうことを感じているかのように。

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