2007.04.15 (Sun)

煮立ったスープの入った鉄鍋に落ちた女児

click!―現代快報―
飯店を経営している夫婦の三歳になる娘が、足を滑らせて厨房の床においた鉄鍋の湯のなかに落ち、死亡するという痛ましい事故がありました。

死亡した女児は、江蘇省南京市化纖新村で小さな飯店を経営する夫婦の娘、玲玲ちゃん。
一昨日の午後、いつものように幼稚園から帰宅した玲玲は、両親が仕込みに忙しい厨房にはいって遊んでいました。夕方4時。厨房ではちょうど麺をいれるスープの準備が調ったところ。煮立った湯の入った径が80センチもの鉄鍋を床におろした父親は、菜を刻みはじめます。
「あ!」。娘の叫び声に、同じく仕込みをしていた母親が顔をあげます。手を出す隙もありませんでした。厨房の濡れた床に足を滑らせた娘は、そのままよろけて鉄鍋のなかに倒れ込みます。すぐさま飛んできた母親は、構わず湯のなかに両腕をつっこんで娘を引き上げました。
母親に抱かれた玲玲は火のついたように泣き出します。皮膚は全身真っ赤で、見る間に水泡が浮かびます。父親も濡れタオルをもってきて玲玲の顔と足を包みました。二人で手早く火傷の手当をしながら、母親の目には涙が浮かんでいます。

警察に通報しましたが、なかなか警官はやってきません。時計は5時35分を指していました。苛立った両親は娘を病院に連れていくため、タクシーを呼びます。間もなく車が来、玲玲を抱いてタクシーに飛び乗った母親ですが、時間的にどこも渋滞。
「ああ、また赤だわ。ねえ、信号ひとつ無視したらその都度お金を払うから、急いでくんない?」母親は運転手に訴えます。タクシーはクラクションを鳴らしっぱなしで、車と車の隙を抜け、武警醫院の救命室に娘と両親とを送りとどけました。

ところが、天は玲玲を見放したかのように苛酷でした。
病院では玲玲のあまりの重傷に対処できず、小児病院で診てもらうことを勧めます。そのうえ病院の救急車はすべて出払っているという間のわるさ。両親はまたしてもタクシーを呼んで小児病院へと向かいます。母親の腕に抱かれた玲玲はすでに泣き疲れたのか、口からは小さな嗚咽が漏れるのみ。
ママ、眠たいよ…。玲玲の口から、まるで命火が尽きるように弱々しい言葉が聞こえました。「玲玲、眠っちゃダメ! 玲玲は強い子でしょ。玲玲がこれまでどんなにがんばり屋さんだったか、ママ知ってるよ。そうだ、玲玲。欲しがってたお人形さん、まだ買ってあげてなかったわよね。玲玲はいい子にしてたから、今度、ママ買ってきてあげる。だから眠んないで。眠っちゃダメ…」
母親の必死の叫びは運転手の涙をも誘いました。

小児病院に到着したのは8時でした。全身90%の火傷。すでにショック症状を起こしていた玲玲は直ちに酸素吸入を受けますが、全身をひっきりなしに震わせ、両親の呼びかけにも反応がありません。父も母も玲玲にキスを浴びせながら、「神さま(老天爺啊)、どうかまだこの子を連れていかないで」と必死に祈ります。

玲玲は天に召されました。日付かわって1時でした。今までと変わらない日々が続けば、今日、つまり日曜日に母親とピクニックに出かける予定だったといいます。
母親の涙は、家にもどっても涸れることはありません。母親の腕の火傷も娘を喪ったことを忘れさせてはくれないでしょう。玲玲の身長は80センチ。ちょうど鍋の径と同じでした。

テーマ : 海外こぼれ話 - ジャンル : ニュース

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