2007.02.28 (Wed)

骨ガン末期の女性が結婚

click!―瀋陽晩報―
骨ガンを患って既に末期、生きる希望も見失った女性のもとにあらわれたのは、それこそ白馬に乗った王子さまだったのかもしれません。
この世で最初にして最後の愛を受け入れた女性は、昨日27日、激痛をおして病院から式場に向かい、花嫁となりました。

今年21歳になる喬艶秋さんは、遼寧省新民市公主屯鎮に住んでいます。
今から一年半前、19才の頃、両脚のあまりの痛みに耐えかねた艶秋さんは両親をともなって市内の病院を訪れました。 診断結果は骨癌。 それも末期でした。
もともとそれほど裕福ではなかった喬さん宅では、娘の治療費を捻出するために土地を売り、また方々に借金もしました。
しかしながら、治療をはじめて数ヶ月、6万元(約108万円)という莫大な負債が家族の上にのしかかっても、艶秋さんは日増しにやつれるばかりでした。 まるで病魔に魅入られたように症状は進み、50kgあった体重が30kgにまで落ちた彼女は、襲いくる痛みと毎日闘っていました。 これ以上家の足手まといになりたくない。 心の中では毎日死ぬことばかり考えていたそうです。

艶秋さんの症状は村の人々にひろく伝わりました。 ニュースを知ったなかに彼女の長男と親しかった呉保安さんがいました。
見舞いに喬さん宅を訪れた呉さんは、それから毎日仕事が終わると走って彼女のもとに訪れ、あれこれと面倒をみたそうです。 それは床から離れられない艶秋さんの痛む足のマッサージにはじまり、足や髪を洗うのを手伝い、果物をむき、傍らで本を読んでやるといった案配。
ときに呉さんの前でも挫けそうになる艶秋さんにむかって、心をしっかりもてばきっと病に打ち克てる、いつかきっと元気になるさといい続けたそうです。

呉さんにしたところで、けっして家が裕福だったわけではありません。 八十近い父。 稼ぎ手は保安さん一人でしたが、喬さん宅の窮状を知ると、村でいくつもアルバイトをしては診察費を得、骨と皮ばかりになった艶秋さんを背負い、病院にも通ったそうです。
こうして日の経つうちに、艶秋さんの表情には少しずつ明るさがもどってきました。 情が愛に変わり、やがて艶秋さんも毎日呉さんを迎えることが心待ちになりました。

しかし愛が深まれば、辛くなるのは艶秋さんです。 自分のためにいくつもの仕事をかけ持ち、くたくたに疲れている筈なのに、なお自分のもとを訪れ、面倒をみてくれる。 艶秋さんは涙ながらに呉さんにこう言いました。 あなたの足手まといにはなりたくないの。 だから…、もうここに来るのはやめて。 私のことなんか構わないでもういいから…。
後は言葉にならず泣きじゃくる艶秋さんの痩せた腕をとった呉さんは、それに対してこう答えました。 君の面倒をみたいんだ。 だから僕はここにいるよ。 いや、いさせてくれ。

旧暦の師走、この頃では毎日痛み止めの注射が欠かせなかった艶秋さんでしたが、それでも疼痛がおさまらず意識を失いました。 家族はあわてて村の病院に診せにいきます。
春節、除夜の鐘が鳴りひびく頃、彼女は極度の困憊のなかにいました。 すでに泣く気力さえ失った艶秋さんの手をしっかりと握った呉さんは、こう告げました。
「艶秋、正式にプロポーズするよ。 僕の妻になってくれ」
この言葉に艶秋さんは目を見ひらきました。
「あなた、気でも狂ったの。 私はもう死んでいく人間なのよ。 結婚なんてあり得ないわ」
「いや、二人は結婚しなければいけないんだ。 いま結婚しなければ、僕は一生悔いを残すだろう。 いいかい艶秋、できることなら僕は夫として君を看取りたい」

70228c.jpg春節明けて五日目、呉保安さんは喬艶秋さん背負って村の写真館に訪れました。 話を聞いた写真館では花嫁衣装、写真代などすべてを無料で提供したそうです。
そして昨日27日、病院の南隣にある 「新天地」 という料理屋で席をもうけ、披露宴がひらかれました。 親族のみで、かけたお金は1200元というささやかなもの。 しかし話を聞いていた村の人々が車で料理屋の前に集まり、二人の門出を祝福するために車列を組んでパレードを行いました。 「今日の艶秋ちゃんは世界でいちばん綺麗だよ!」 沿道からはそんな声もひびきました。

もっとも医者から特別の痛み止めを打ってもらっていたとはいえ、気の遠くなるような痛みに、艶秋さんの額には玉の汗。 ぶるぶると震えながら呼吸は荒く、傍らの保安さんはずっと小声で彼女を励まし続けていたといいます。
病院では、新婚の二人のために個室をひとつ提供しました。 そして院長ならびに医師たちから祝儀が手渡され、総額は9000元にも及んだそうです。 「いま、本当に幸せです。 世界でいちばん大きな愛につつんでもらって、強く生きなければ、と思います…」 と語る艶秋さん。
病室の上に貼られた大きな深紅の 「喜」 の文字は、年明けて燦々と輝く春の日差しにいま、踊っているかのようです。

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