2006.11.17 (Fri)

リンパ系フィラリア症の撲滅にむけて

click!―BBC NEWS―
LF(Lymphatic filariasis : リンパ系フィラリア症)、一般的には象皮症として知られるLFは、現在83ヶ国、1億2000万人が感染しているといわれています。

蚊を媒介にして伝染するこのリンパ系フィラリア症。
血液内に寄生する糸状の虫、ミクロフィラリアの幼虫が蚊の体内に取り込まれ、成長して口吻に移動。 ふたたび蚊が人間を刺すときにもたらされ、細胞の活性を促すリンパシステムのバランスを壊し、症状としては胸、四肢、性器や陰嚢のむくみ、浮腫となってあらわれます。 同じく蚊を媒介にするマラリアとちがって、LFは命を奪うということはありません。 しかしながら醜く膨れあがった四肢や陰嚢は美観を損ね、人に大きな肉体的、精神的ダメージを与えます。

画像はガーナの医療チームが我々に紹介てくれたYaさん。 歩くことも走ることも出来ますが、その動作は緩慢。 足は普通の女性の数倍にも膨れあがり、その質感は象皮症(elephantiasis)という名が示す通り、象の皮のようで、爪先には小さな瘤がたくさん出来ています。
Yaさんは症状がどんどん進み続ける間でも、ひと言さえ不満を告げなかったといいます。 それでも母親と自分の息子とともに暮らすYaさんは、家族のサポートのある分、まだ幸せな方なのかもしれません。 多くの患者は村八分にされるか、さもなくば見世物にされます。

61117f.jpg右の画像は同じく腫れが陰嚢にあらわれた場合。 男性のLFは一般的にこうしたかたちで、陰嚢水腫(hydrocele)として知られています。 世界中で患者数は2,500万人。
我々は同じくガーナでLFに罹患したトラクター運転手に出会いました。 男性の陰嚢はメロンほどの大きさです。 男性は匿名ですが、彼自身はこうした症例を全世界に向けて提示できるのは賛成だと言いました。 村では彼の妻以外知り得ない症状ですが、LFがどのようなものかということをまず知ってもらうことが大事だとも我々に対して述べました。

いまこのリンパ系フィラリア症撲滅に向けて、大がかりなプロジェクトが進行中です。
WHOも 「撲滅すべき7つの疾病」 のうちの1つとしてこのLFを挙げ、アジア、アフリカ、中南米といった熱帯地域に住む人々に対して検査と予防を呼びかけると同時に、莫大な資金を必要とする予防薬の無料提供を支援してもらうためにLFの実態を知らしめることを奨励しています。
ガーナの医療チームは、1年に1回は全ての村を巡回できるよう試み、もしこれが5年続けられれば、LFは撲滅出来ると考えています。
ただし、感染のリスクに晒されている世界10億人以上の人々に、同じく1年に1度、5年間にわたって治療を続けるには10億ドル以上が必要との試算もあるそうです。

テーマ : 海外こぼれ話 - ジャンル : ニュース

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