2006.09.27 (Wed)
妊婦の腹を裂いて胎児を奪った女
―MSNBC.com―妊婦の腹を裂いて胎児を奪うといった犯罪。 常識的には到底理解しがたい猟奇的な行為ですが、それを促す動機そのものは、妊娠や母性といった女性のもっとも慈しみに富んだ部分に基づいているといった側面もあるのかもしれません。
精神科医のフィリップ・レスニック博士は、この種の犯罪について書いた著書のなかでこう述べています。
「それはいわば、『母性本能の暴走』 といえるかもしれない」。
イリノイ州、イーストセントルイスに住む24歳の女性、ティファニー・ホールが月曜日、ベビーシッターの用を言いつかった幼なじみのジメラ・タンストールさん(22歳)を殺害、死後子宮を鋏で切りひらいて胎児を奪った罪で起訴されました。 彼女はタンストールさんから奪った七ヶ月の胎児を最初、死産した自分の子供だと言い張ったそうです。
似たような事件は、アメリカでも非常に稀とはいえ1987年から8件の事例があるそうです。 「newborn kidnapping(新生児誘拐)と名付けられたこの種の犯罪、精神科医が分析していますので、そちらを訳してみますね。
「カテゴリー的には幼児誘拐の部類にはいるんでしょうな。 出産適齢期の女性が子供を亡くした、あるいは何らかの理由で子供をもつことが出来なかったという理由で犯行に至るのが殆どです。 子供のいない人生に虚しさを感じるというのは、母性のほうが男と女の関係に勝るからなのかもしれません」 と語るのはニューヨーク在住の心理学者、N.G.ベリル氏。
「たとえばこれらの女性が街で妊婦を見たとします。 すると女性らは、妊婦を勝ち組、あるいは女性のあるべき姿とイメージするのです。 なかにはその姿に近づこうと、自分でも孕んだフリをし、家には育児スペースを設けたりする女性もいます。 しかしながら、その感情が臨界点を超えると、シェイクスピアさながらの悲哀に苛まれるんでしょうな。 子供を授からなかった女性のなかには、大きくなるいっぽうの感情の暴走を止められない女性もいるのです」。
2004年、カンサスの女性が妊婦をロープで絞殺、包丁で腹を裂き、赤ちゃんを奪い取りました。 この女性の事件は現在公判中です。
1987年、ニューメキシコで起きた事件は、出産を間近に控えた女性が女性によって誘拐され、絞殺されたあとに車載工具で胎児を抜き取られました。 犯人の女性は精神病院に送致されています。
腹を裂かれた女性はもちろん、どの事例でも出血過多で死亡に至ります。 犯人はほとんどの場合、奪った胎児を自分の子と主張しますが、やがて真相が明らかになり、遺族のもとに赤ちゃんが帰ると自責とそれまで以上の喪失感から自殺を選ぶ女性もいます。 同種の8つの事件のうち、これまで2名が命を絶っているそうです。
「傍から見れば妊婦の腹を裂くというのは猟奇ですが、彼女らにとってはそれは帝王切開の代償行為、いわばファンタジーに身を委ねる前の通過儀礼を行っているのかもしれません。 したがって裂いた腹は自分自身の腹であり、その妄想に邪魔な被害者の遺体はしばしば隠匿されるのでしょう」
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