2006.09.19 (Tue)
世界初のペニス移植も二週後には摘出―中国
ペニスの再建手術はあちこちで行われ、「HEAVEN」 内でもいくつか記事がありますけれど、こちらは最近中国で行われたというペニスの移植手術とその後のレポート。 英ガーディアン紙の記事です。中国で今年、世界初となるペニスの移植手術がおこなわれました。 患者は事故でペニスを根幹部1センチを残して損ない、セックスおよび排尿は困難だったといいます。
「生命というより患者の日常に深く関わる問題だった」 と語るのは、広州総合病院のWeilie Hu医師です。 10センチのペニスを移植する手術は15時間を費やしておこなわれ、44歳の患者のドナーとなったのはまだ20代の青年。 青年は脳死状態で、両親の許可を得てペニスが提供されたそうです。
手術工程の詳細は、来月の 「European Urology(欧州泌尿器科学誌)で明らかにされることでしょう。 microsurgery(マイクロサージャリー)が用いられ、顕微鏡下で細い血管や神経を縫うという複雑な手術は医師団によると一応は成功したそうです。 術後10日経っての検査では、ペニスに血液がいきわたっていることがわかり、患者は排尿も問題なく行えたということです。
広州総合病院では、これまでにもペニスの再建あるいは再接着術に成功しています。 しかし移植手術は初めての試みでした。
しかしながら、手術は成功だったにもかかわらず、術後二週を経て医師団は患者のペニスを除去しなければなりませんでした。 Hu医師の言葉です。
「物理的要因、拒絶反応といったことではないんだ。 患者の心の問題だね。 それと妻のね。 ともかく残念ながら移植陰茎は摘出しなけらばならなかった、ということだ」。
世界で初めて顔面移植手術をおこなったジーン・ミッチェル・デュベルナール医師は、手や顔面などの同種移植(allografts)は患者に多大な心理的プレッシャーを与えると述べています。
「手を移植された患者には、移植された手を、つまりはドナーとなった死んだ人間の手だということを意識したまま、永遠に使い続けなければならないという抑圧がある。 顔にしても同じだ。 鏡を見れば死んだ人間の顔がそこにある。 馴れるのは決してたやすいことではない。 中国のケースは、まずその受け入れ側の心理への配慮において失敗だったようだね。 また患者以外にそれを受け入れる妻という存在。 多くの点で問題を提起したようだ」。
2001年にリヨンのエドアール・ヘリオット病院で、デュベルナール医師らによって世界初の 両腕の移植手術を受けた患者は、その後提供された腕の除去を願い出、腕を使える便利さよりも障害者になることを選びました。 彼の言葉によると、「ドナーとなったニュージーランド人(50歳)の腕が、日ごとに 『醜く、皺んで』 見えることに耐えられず、移植された腕そのものが精神的に遊離してしまった」 のだそうです。
移植術の専門家、ロンドン大学インペリアルカレッジのアンドリュー・ジョージ医師はこう述べています。
「ペニスを移植することは他の部位と比べてそれほど難しいものだとは思わない。 移植されたペニスが反応するまでには相応の時間がかかるだろうし、将来的にも性行為が可能だったのかは明らかにされていない。 問題もある。 ともすれば美容形成にもみられかねないペニスの移植というものが是か否かだ」。
これも前回の顔面移植と同じように、世界最先端の医療技術と標榜する中国と、それを快く思わない欧州とのやり合いになっているようですが、とりあえずは来月号の「European Urology」 待ち?
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