2006.07.30 (Sun)

二人の連続殺人犯が殺害数を競う街―フェニックス

click!―BBC NEWS―
現在二人の連続殺人犯が、あたかも競争するかのように殺害をかさねていく街、米アリゾナ州フェニックス。 夜になると街に人通りは途絶え、住民たちは自衛のために銃を求めはじめています。

この街に住むリンダ・オニールさんは、あぶなげな手つきで買ったばかりの拳銃を構えます。 引き金を絞り、撃つと同時に反動で後ろによろけました。 狙った筈の的からは大きく外れています。 高層ビルの建ちならぶ街から一歩外に出れば、いまだ巨大なサボテンがそそり立つ、まるで西部劇を彷彿させるようなアリゾナ州。 その地に住まう女性といったところで、オニールさんが銃をもつのは41歳になって初めてというのですから無理もないことでしょう。
今週彼女は自衛のために銃を求めました。 グロック社の9mm。 500ドル以上もした代物です。

オニールさんは、新聞で毎日報じられる二人の連続殺人犯の動向に怯え、銃を求めた市民の一人です。 住民たちは、連続殺人犯らは互いに競争して殺戮をくり返しているのだと噂しています。 オニールさんは言います。
「惨めでしょ? 見てやってよ。 でも自分の身は自分で守らなきゃいけないの。 夜なんか怖くて外に出られないわ。 夜働いている友だちも何人かいたんだけど、みんな辞めちゃったわよ。 いまはお金より身の安全よ」。

ベースラインキラーとシリアルシューター
連続殺人が始まったのは昨年八月のこと。 しかし警察が犯行を二人の犯人によるものと知ったのは今年に入ってからでした。
一人はベースラインキラー。 命名は男が最初に殺人を犯した地に由来しています。 ベースラインキラーは既に5人を殺害。 20人以上の女性を誘拐、暴行に及んだといわれています。 特徴はドレッドヘアの黒人とされていますが確証はありません。 ベースラインキラーは犯行ごとに変装しているようなのです。
もう一人の男はシリアルシューター。 こちらも少なくとも5人の命を奪ったといわれています。 ベースラインキラーとは動線がちがい、車から手当たり次第に発砲するという怖ろしい殺人者。 狙うものは人間と動物です。

人気の絶えた通り
フェニックスでは今夏、夜になっても38度という猛暑が続いています。
普段の夏でしたら、映画館もショッピングモールも大盛況といったところでしょう。 ところが今年の夏はちがいます。 日が落ちるとともにストリートに人気は途絶え、街は寡黙となります。 ディナータイムのレストランでさえ、空いた店が目立つありさまです。
「いつ撃たれるかわからない街にくり出すよりも、家のなかでじっと暑さに耐えていた方がまだマシってやつさ」 と語る住人たち。 暑く、長く、そして孤独な夏が住民たちにのしかかります。

対策
「街というものは、おしなべて一度は危機を迎えるものだよ。 そしてその危機は必ずや乗り越えられる」 と語るのはフェニックス警察のアンディー・ヒル巡査部長。 しかし彼は、いっぽうで一向に捜査が進展しないことに苛立った住民から批判を浴びていることに対してはこう答えます。
「たしかに連続殺人犯はまだ影さえ見えてこない。 だが我々は日夜努力をしている。 できることは全てやっているつもりだ。 実りがあったとはいえないのだが」。 

警察ではけっしてそのことに対して触れませんが、住民たちにとっては二人が殺害の数を競っていることはもはや確信に近いようです。
フェニックス警察は120名の捜査員を配備し、有用な情報の提供者には10万ドルを提供すると告げています。 しかし、ベースラインキラーには辛うじてモンタージュが作られたものの、シリアルキラーに至っては目撃情報はないに等しく、その行方は誰も知りません。

ゴーストタウンで殺人を競う二人の連続殺人犯が、真夏の夜に火花を散らし睨み合ってる街。 もしかしたら、殺人犯同士ですら姿の見えない相手の影に怯えているのかも。

テーマ : 海外こぼれ話 - ジャンル : ニュース

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