2006.07.03 (Mon)

アメリカで流行りはじめた「自然葬」

click!―Yahoo! News―
故人を埋葬しても墓碑を建てず、遺骸から装飾品も外して土に返すといった 「自然葬」 が英国にひきつづきアメリカでもブームになっているようです。

ニューヨーク州のフィンガー・レイクス(Finger Lakes region)東端、三方を深い森に閉ざされたこちら、グリーンスプリングスと呼ばれる自然葬のための墓地はニューヨークでは初、しかしながらアメリカ全土ではこのような場所が次第に増えつつあります。
この墓地で最初に売りに出された区画を手に入れたコーネル大学植物学教授のカール・レオポルドさんはこう述べます。
「賢明な方法だよ。 死体に防腐処理を施して、我々のこの足許の大地からも半永久的に隔離されるような棺桶にいれるなんて馬鹿げたことだと思わないかい?」。

ここ、グリーンスプリングスでは、ひと区画のお値段が500ドル、プラス故人を埋葬するのに350ドル。 遺骸に防腐処理を施すことはできません。 お棺は埋葬後、生分解されて土に帰る素材のもののみ許され、装飾品などの副葬は許されず、墓標は小石や枝、あるいは籐編みのものに限られ、墓石やモニュメントを建てることはもちろんできません。 また埋葬に割り当てられる区画は15×15フィート(約460cm)です。
「故人を土に帰してあげることは、いわば輪廻のなかに帰してあげるということなんです」 というのは、この墓地の代表であり環境保護を訴えるメアリー・ウッドセンさん。 「もちろん誰もが望む方法ではないかもしれませんけど、死を回帰と考えられる方なら自然葬を選びます」。
このような自然葬はイギリスではすでに選択肢のひとつで、埋葬の一割を超えるとか。 アメリカではごく最近になって行われるようになってきたそうですが、それでも墓所はフロリダ、テキサス、カリフォルニア、ワシントンと拡がってきました。

昨秋、交通事故で亡くなった弟の遺灰をラムジー・クリークにある自然葬の墓地に散骨したエリザベス・スタックマンさん(47歳)はこう述べます。
「大地には生命があるの。 今までの型にはまった墓地は、まさにその名の通りデッドプレイスだったけど、ここには生命の流れがあるわ」。
彼女の子供たちは埋葬のあいだ近くの川で遊び、参列した友人たちはカントリーを演奏して故人を偲んだそうです。
「自然は刻一刻とその姿を変えている。 人間もまたそう。 死という変化は自然の法則に則ったものだし、そう考えればキレイに手入れされた芝の下で弟を眠らせたままにしておくなんて、自然に対する一種の冒涜よね」。

Federal Trade Commission (FTC―米連邦取引委員会)によると、アメリカ人の平均葬儀費用は、約6,000ドルといわれています。 多くは1万ドルを超える葬儀費用。 手続きはより煩雑になり、安い火葬にすれば副葬品などからダイオキシンが発生と、これまでの慣例へのアンチテーゼとして生まれたかのようにみえる自然葬ですが、もちろん反論もあります。
Funeral Consumers Alliance(葬儀に関する消費者団体)のジョシュ・スロッカム氏はこう述べています。
「あらたな選択肢、おおいに結構。 だが、我々が伝統としている葬儀方法にしたって多くは前世紀に開発されたものだ。 防腐処理しかり整然と手入れされた墓地しかりだ。 新しい方法は当然ながらいつの世にも新鮮に映るものだよ。 だがあえてひと言言わせてもらえば、自然葬というのは何もいま始まったものではない。 開拓時代には当たり前だったし、葬儀としてはごく原始的なものだ。 いわば、ここから現代の葬儀ははじまったんだよ」。

テーマ : 海外こぼれ話 - ジャンル : ニュース

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