2006.06.27 (Tue)

カメルーンの風習「ブレスト・アイロン」

click!カメルーンにおける悪しき慣習、「ブレスト・アイロン」 をなくそうと、同国の新しい世代の女性たちが全国規模のキャンペーンをはじめました。

このブレスト・アイロンというのは、思春期の少女たちの胸の成長を止めるため、砥石などを熱して胸にあて、すりこぎで突いて乳房の組織を破壊するもので、おもに家庭でおこなわれる昔ながらの風習なのだそうです。
統計によれば現在26%にのぼる少女たちが犠牲になっているといわれるこの悪習、理由はと問えば、膨らんだ乳房が同年代の男の子の関心を惹かないようにするためなのだとか。

ブレスト・アイロンを施された女性の体験談です。
「母は乳棒(すりこぎ――奇しくも日本語ではピッタリの漢字になりますね)を火にくべて温め、私を仰向けに寝かせて胸を突いたんです。 そのほかにもココナッツの殻を温めて、アイロンをかけるように胸に押し当てました。 もちろん私は恐怖と苦痛からその場を逃げ出したかったのですが、どうすることもできませんでした」。
また、なかには自らブレストアイロンを試みた女性もいます。
「私の住んでる村では早婚の風習があったんです。 私はもっと上の学校に行って勉強を続けたかったので、胸が膨らまないように自分でアイロンをかけたんです」。
多くの母親たちは、娘にブレスト・アイロンを施したことについて後悔はしていないそうです。
「ブレスト・アイロンは古くからの慣わしです。 学校を出る前にどこの馬の骨ともわからない彼氏ができて、うちの娘と関係をもつなんて許せませんわ。 私は母として娘を守ってやれたことがうれしいです」。(下の画像はブレスト・アイロンに使われる道具の数々)

60627a1.jpgしかし、実際にブレストアイロンを施したことが若い世代からセックスを遠ざけているかというとこれには疑問。 施術された多くの少女たちが妊娠している現状では、母娘がまずしっかりとセックスや生殖について話し合うことが先決だと学者は述べています。
また腰の重い政府に対して、このところ 「おばちゃん連合(Association of Aunties)」 と自らを名乗る若い女性たちがブレストアイロン撲滅キャンペーンをはじめました。
「少女の胸を突いたり激しく揉むことは健康上有害なことです。 自然のままの成長に委ねさせましょう」 というのがテレビで流される彼女たちの広告のコピーだそうです。

今までこのブレストアイロンについては、医学的にはほとんど調査は行われてきませんでした。 しかしながら、首都にある国立の婦人科病院の主任を務め、がんの治療にも携わるアンダーソン・ドウ教授は、こうした風習はきわめて危険なことだと述べています。
「乳房というものは、組織が結合することでなりたっています。 成長期でこれらの組織が生成されているときに熱したり、強打すれば後々ダメージが残るでしょう」。
法的な整備を求める声も少しずつ出はじめているカメルーン。 背景には幼いうちに子供を産んでも育てられないという経済事情があることは確かなのでしょうが、こうした悪習は一刻も早くなくなればいいですね。

テーマ : 海外こぼれ話 - ジャンル : ニュース

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