2006.04.26 (Wed)

母が遺してくれた乳房

click!―The Sun Online―
サン紙女性面から記事ですが、原題は 「New boobs from the grave(新しい乳房は墓場から)」。 ちょっとねえ。

クレア・ウィルゴさんは、自身の平たい胸をひどく嫌っていました。それゆえ彼女の母が亡くなったとき、遺してくれたお金で何をすべきか迷うことはなかったといいます。 以下彼女の独白調の記事からです。



どんなに愛らしい服を着たところで、それに包まれる体は少年のようにフラットな胸。
かろうじてAカップの私には乳房と呼べるものは見当たらず、胸のあたりを形容すれば、まるで目玉焼きを作って乗せたよう。 学生時代、友だちがタイトでセクシーな服を着ているのを横目で見ながら、私はルーズフィットな服を選び、双子の弟と共有できるほどでした。
もちろん、大きくなったら胸だって成長するわよって母も言いましたし、私もそれを信じていました。 けれど友だちがだんだん女らしいラインを得ていくのに私はひとり取り残されたまま。
胸の豊かな母が耳許でそっと囁きます。 「あなたは綺麗よ、クレア」。
たとえ胸がなかったとしても女として変わりはないのだと、どんなに自分に言い聞かせてみたところで、夜ごと枕を涙で濡らすことに変わりはありません。

そんな自分の体にもようやく馴れた頃、私は結婚し娘を一人もうけました。 娘が生まれてしばらくの間、人並みに乳房が膨らんだときのことを忘れもしません。 娘におっぱいをあげながら、このまま乳房が膨らんだままでいることをどんなに願ったことでしょう。 でもそれは長くは続きませんでした。
娘が乳離れすると、私の胸はどんどんと萎んでいき、娘が生まれる前よりも小さくなったような気もしてきました。 平らを通り越していくらか凹んでいるようにも見える胸。

「お医者さんに相談してみたら?」 母の言葉に従い、私は形成外科医の門を叩きました。
「胸が男の子みたいなんです」、医者の前で堰を切ったようにあふれる涙。 けれど私の積年の思いは、決してわかってもらえなかったでしょう。 きっとただ見映えのために胸を大きくしたいだけの詰まらない女だと思われたことでしょう。 でもいったんその思いにとりつかれた私は、なりふり構いませんでした。
手術代は高く、とても払える金額ではなかったので、もし無料で豊胸手術をしてくれたらお返しとしてその話を書こう、テレビにも出ようと必死で医者を口説いてもみたものです。 もちろんそんな話などに乗ってくる医者は誰一人としていませんでしたが、私の思いは日に日に募るばかりでした。

そんなある日、母が病魔に冒されました。 症状は運動ニューロン疾患という難病で、脳と筋肉とを結ぶ神経の繋がりがうまくいかずに脱力や嚥下障害などを起こして死に至るという病気です。
日ごと衰弱していく母を看ながら、私は私の胸のことも久しく忘れていました。 母は発症から一年後に亡くなりました。 そう多くはない遺産は兄弟五人で分けると僅かなものです。 しかし母が遺言として私に数千ポンドの小切手を遺しておいてくれたことを知ったとき、私はその小切手の使い途、そして母が気にかけてくれていたことに気づいて涙しました。

頭のなかでぐるぐる巡る想いと自問自答しながら、ストレッチャーに乗せられて手術室に運ばれていった時のことを今でもハッキリと思い出せます。 レントゲンで私の骨格を調べた医師は、ミディアムサイズのインプラントを入れることを提案し、私もそれに同意しました。
胸部にメスが入り、手術がはじまりました。 方法は、乳房の下に切り込みを入れて、そこにシリコンジェルのインプラントを挿入するということのようで、いわばシリコンを胸の皮下脂肪で覆って膨らみをつけるということなのでしょう。 手術自体にほとんど痛みはなかったものの、麻酔に酔った私は術後ひと晩ひどい吐き気と目眩に悩まされたものです。

明けて翌朝、私は包帯に包まれた新しい乳房をさわってみました。
それはやさしく柔らかく、私は顔をこわばらせながら 「まるで自分の胸ではないみたい」 と呟いたことを思い出します。
退院してから全身を鏡に映しては頬がゆるみ、またボーイフレンドも包帯の上からですが、自然に見えるよと言ってくれました。
一週間後、いよいよ包帯を外してもらう日がやって来ました。 経過はいいようですねと看護婦さんに言われて、包帯を解いたとき私は思わず息を飲みました。 これが私? 新しい乳房は元気いっぱいに弾んでいるように見えました。 いま、私は女であることを歓び、実感しています。

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テーマ : 海外こぼれ話 - ジャンル : ニュース

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