2005.08.20 (Sat)

二本足で跳んだ犬

click!以前に、所属しているメーリングリストで、列車に轢かれて前肢と後肢とを失いながらも、死の淵から復活した犬のことを書いたことがあります。
犬のもつ運動神経のすごさ、バランス感覚のみごとさ。 愛犬家の方々は是非この動画をごらんになってほしいもの。 犬は前肢と後肢一本ずつでバランスを崩さず走って跳ぶことが出来るのです。

「列車に轢かれた犬」、ちょっと長くなりますが載せておきますね。



時は第二次大戦前、ドイツでのお話です。

とある田舎の路線の踏切番の家族とともに、ロルフという名のジャーマンシェパードが平和な日々を過ごしていました。 愛嬌たっぷり、遊び好きで面倒見のいいロルフは、二人の子供たちにもよく懐き、どこに行くのにも一緒でした。

ある日のことでした。
いつものようにやんちゃな子供たちに連れられて、線路の向こうの遊び場に向かおうとしていたロルフは、すぐ近くまで列車がやってきていることに気づきました。 急いでロルフは、線路の上でふざけあっている子供たちに吠えて注意を促しましたが、子供たちが列車に気づく様子はありません。

列車の姿はみるみるうちに巨大な影となり、まるで怪物の咆哮のように警笛をけたたましく鳴らして、子供たちの前に覆い被さってきました。
ここにきて子供たちは恐怖に足がすくんでしまったのか、動くこともできない様子です。 それを見たロルフは、いったん後じさって勢いをつけ、子供たちめがけて線路に飛び込んでいきました。
轟々と列車が通り過ぎて後、ロルフに弾き飛ばされた子供たちはみな無事でした。
けれども、ロルフの左前足と後ろ足は、無惨にも線路の上で砕け散っていました。

とまあ、ここまででしたら、可哀想な出来ごととして終わるのでしょうが、ロルフはそれからがすごかったんです。
家族は子供たちの報告を受けて、血まみれになったロルフを抱いて帰り、納屋で休ませました。 前後の足を失い、全身で荒い息を吐いて横たわっているロルフには、もう手の施しようがないようにも見えました。 家族の見守るなかを、落ち着きをとり戻したロルフが静かに目を閉じます。 餌と水を充たしたいれものをロルフの側におき、家族は沈痛な面持ちで引き上げました。

しかし、一日たち、二日たち、三日目を迎えた朝、家族は信じられない光景を見たのです。 それは、よろめきながらも、二本足で納屋から這い出してきたロルフの姿でした。 ロルフは、千切れかかった足をかじって骨を食い切り、化膿しかかった切り口を舐めつづけて、たったひとりで傷の手当をしてしまったのです。
一ヶ月たち、体力が回復したロルフは、再び子供たちと連れだって遊びはじめました。 二本足で歩き、駈け、そしてジャンプまでもして。 自分の肢を奪った列車を怖がることもなく。 子供たちを無事に線路の向こう側の遊び場に送りとどけるのが、まるで生まれついての自分の使命だとでもいうように。

ロルフの並はずれた適応力と驚異の回復力は、噂を伝え聞いた軍の研究機関が、彼を預かり、どんなに調べても解明することはできなかったそうです。 しかし、ロルフは現実に、研究所の庭に設けた柵を、二本足で跳び越えたんだそうです。
時折、道ばたで後ろ足を車に乗せたり、また足を一本失った犬を見かけます。 でも、あの犬たちは、ハンデをハンデだとは決して思ってはいないんですよね。 精一杯生きてます。 未来にも過去にもとらわれることなく、いつだって「今」を一生懸命生きてます。

ロルフの話は「犬の愛に嘘はない」にあったと思います。 興味のある方は、どうぞご一読を。

テーマ : 海外こぼれ話 - ジャンル : ニュース

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